2人きりになった車内で、白髪の男性運転手(72)は、好意を持っていた20代女性に性的虐待を加えた。障害者福祉施設から、女性を自宅へと送り届ける帰り道だった。障害者を支える立場だったはずが、なぜ事件を起こしたのか。
4月、東京地裁立川支部。施設の送迎車両の運転手だった男性被告は、不同意性交の疑いで逮捕・起訴され、法廷に立っていた。裁判長から起訴内容を問われ、「間違いございません」と大きな声で答えた。
検察側の冒頭陳述などによると、被告は2024年7月、東京都小金井市の新小金井駅前に止めた送迎車内で、女性の陰部を触った。その後、女性の様子がおかしいと感じた母親が、被告とのメールのやりとりを見つけて被害が発覚。被告は「儀式」と称して自慰行為をするようメールで求め、感想を送らせようとしていた。
検察側によると、女性には中等度の知的障害があり、特に目上の人から言われたことには逆らえない性格だという。
被告は23年ごろから女性を「かわいい」と思うようになった。事件当日は、他の利用者の送迎順序を変え、女性と2人きりになるようにした。
逮捕後に被告は、過去にも複数回、この女性の体を触ったり、自身の性器を触らせたりしたと供述したという。
車内で性的な行為に及ぶことに、女性は同意していたのか。この日の被告人質問で、被告は釈明の言葉を並べた。
弁護人「車内で突然、行為に…